医療の国際展開
日本からブラジルへ そして、世界から日本へ

世界の各地では、
必要な医療を受けることができない人々が、未だに多くいます。
戦後の廃墟の中から立ち上がった日本に、世界中の人々が希望を抱いています。
日本と世界の架け橋として、医療協力を形とし、世界中に愛と希望を伝え、
人々が、自分たちの力で立ち上がることを応援していきたいと思います。

ブラジルでの医療政策の背景

ブラジルのサンパウロ州から内陸に進んだ南マットグロッソ州は、日系人が三番目に多い州です。ボリビアとパラグアイにも国境で接しており、現在建設が進められている国際高速道路が通るところで将来的には要諦の地になりそうです。4万平米という広大な土地に250万人が住み、州都カンポグランジは人口80万人で年々増えています。
医療事情が比較的に充足しているカンポグランジと比較して、面積の広さからくる拠点病院配置の難しさもあり、人口12万人のボニート二次医療圏には中等度以上の患者受け入れ可能な地域病院が存在していません。
ブラジルの憲法では、全ての国民は無料で医療を受けることができると謳われており、公的医療保険制度(SUS)はアメリカのオバマ・ケアのモデルになったとも言われています。しかし、人口一人あたり8ヘアルの月間予算では質量共に提供できる医療が限られ、この問題は地方では大問題となっています。公的病院は連邦政府や州政府からの予算に頼らざるを得ず、医療制度崩壊の危機を迎えています。

医療の国際展開

ブラジル・パンタナール地域中核病院建設プロジェクト

ブラジルに中核病院を!!
~病院設立のための現在までの歩み~

今のブラジルの状況を打開するために、これまでとは違うやり方で、社会的組織を使った公的病院運営の挑戦が始められています。現地の公益法人Centro de Diagnostico Medicoを運営している森部玲子医師は、この公益法人を活用した公的病院運営プランを州政府に提出し、州政府の承認を経て地域医療計画の中に組み込まれています。社会的組織によるSUSの患者6割、民間保険に契約している患者4割を診療することにより、公的医療を提供して地域住民に貢献しつつ、富裕層のニーズにも応えようとするのがこのパンタナール地域病院です。

ギアロペス医学診断センターの設立
-周辺7市からの3次病院設立歎願のため-

2003年に協力者の支援で、近代的な診断装置を導入した診断検査機関である医学診断センターを設立(同年新設の市立病院に併設)。
この地域で唯一、上部下部内視鏡の実施施設として地域医療に貢献。
検査 GIF50件/月、Mammo50件/月、
腹US 200件/月、心US50件/月
専門外来 循環器150人/月、神経内科150人/月
類似の診断センターが各市が設立され使命がほぼ終了する。
10年間の功績により、州議員に推薦され州公益法人化。(2012)

位置 : ブラジル中西部
パラグアイ・ボリビアと隣接
人口 : 245万人
面積 : 35.7万km²

現在、開設に尽力したホベルト医師の急逝により、存続の危機に陥った医療体制の立て直しを進めています。医師、看護師、全ての医療従事者が一般の支援者とともに、地域住民への医療支援を行っていきます。

ギアロペス診断センター

病院建設予定地

完成予想図

精霊を象徴する鳩の形の病院

パンタナール地域病院の設計図は、ブラジリアの大統領府の設計で有名なオスカー・ニーマイヤーの弟子で70の病院を設計してきたセルソ・コスタ博士の設計です。カソリックの国らしく、癒やしの御霊、つまり精霊を意味する鳩の形の病院です。

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パンタナール地域病院では、州内にある4つの医学部の研修病院として内科、外科、産婦人科、小児科などの基本診療科を中心に、高知大学医学部の協力により、内視鏡診断と治療を提供できる光学治療診療センターを設置し、低侵襲治療の拠点とします。
また、州全体においても、特にニーズの高い整形外科の待機手術、脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科などの手術にも対応します。集中治療室(ICU)、手術室の配置は先進的な設計によって十分な面積を確保しています。

併設するSPAの建設

地域住民と富裕層の両方のニーズに応えるために、120床のベッドを72床のSUSと48床の民間保険とに分けて運営しますが、これは結果的に経営を安定させます。さらに、保養地ボニートに開設予定のメディカルスパと連携することで富裕層に対してのメディカルエコツーリズムを振興し、地域経済の活性化を応援します。
周辺には病院職員のための学校やスーパーマーケットができるため、病院を中心とした町メディコポリスが生まれることになるでしょう。

大学間連携

私たちは、高知大学医学部と連携し、NPO法人としての活動の中で、現地の医療事情について情報収集しながら、病院設立の準備を進めています。こうした大きなプロジェクトは、NPO法人だけでは進めることができません。2016年に高知大学から9名の医師が派遣され、南マットグロッソ連邦大学に対して、内視鏡装置2セットを寄贈すると共に、内視鏡診断及び治療の研修会を行ってきました。ブラジルで他の2つの州でしか導入されていない最新機種を寄贈されたということで大きな注目を集め、全国放送されました。

パンタナール地域病院の整備に向けて、両国の国立大学が協力して行う高度な医療人材育成事業として、現地の医師の理解も得られることになりました。

現在までの活動・支援・協力

南パンタナール地域では、手術が必要な病気になると
高速道路で3時間以上走らなければ
手術ができる病院までたどり着くことができません。
憲法で全ての人が無料で医療を受けることができると謳っているのに、
病院に着いてみたら、
患者が一杯で診て貰えないということも起こります。
こうした状況を解決するために、パンタナール病院を建設し、
持続可能な経営を行うことができるように
官民共同プロジェクトとして提案しています。