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ギアロペス便り Vol.1

いつもBRIDGEへのあたたかいご支援ご声援をいただきありがとうございます。


BRIDGEはこれまで、ブラジルでの医療支援事業に10年以上にわたって取り組んできました。主な活動の拠点は、南マットグロッソ州のギアロペス市にある「ギアロペス医学診断センター」です。現地パートナーである現地法人のInstitute Nova Esperancaと共に運営しています。皆さまからのご支援でBRIDGEに集まる寄付金(ブラジル事業)は、そのほとんどがこの医学診断センターの診療活動・運営資金となっています。


今回からは「ギアロペス便り」という名前で、ブラジルでの医療支援事業の様子をご支援下さる皆さまにお伝えしていきたいと思います。

第1回目となる今回は、医学診断センターで日々医療奉仕活動を担っているメンバーと、現地の医療状況などを紹介します。

医学診断センターの概要

医学診断センターでは、月曜日から金曜日の間、地域住民に無償で医療奉仕を行っています。一般医として診療全般を担当するユリ・アルメイダ医師と、心理療法を行うヨンサン・アルメイダ心理療法士がその中心となって活動しています。

医学診断センターの概要

ギアロペス医学診断センターの入口です。

こちらが一般医として診療全般を担当するユリ・アルメイダ医師

ユリ医師の診察室には心電図とエコーと診察のベッドがあります。

エコーが必要な場合は専門の先生に来ていただいてエコーをしてもらっています。しかし今年は予算がなくエコーは一時休止中です。

設備がないため外科的な治療はできませんが、それ以外のことはユリ医師が何でもこなしています。

そしてこちらが心理療法を担当するヨンサン・アルメイダ心理療法士。実はユリ医師のお兄さんなんです!

ヨンサンの部屋には様々な心理療法の道具が置かれていて心理療法をしています。日本では心理療法はそこまで活発ではないですが、ブラジルでは一般的だそうです。

市の社会福祉課から患者を受け入れる

ブラジルには統一保険医療システム(SUS)という医療サービスがあり、国民であれば誰もが無償で医療を受けられます。しかし、SUSは多くの課題も抱えています。公的医療機関への予算が限られるために医療資源が全く不足しており、しかも安価な給与の為に医療従事者のモチベーションが低く、質の良い医療が望めません。医療資源が限られる為、診療出来る患者数を制限するしかなく、医療を必要とする患者のわずかしか診療が受けられないのが現状です。ブラジルの医療の状況については、以前にユリ医師のレポートを掲載していますのでぜひご一読ください。


そのような状況の中、ギアロペス市のポストジサウジ(保健所、公的診療所)では、1日8人しか診てもらうことができません。診てもらえずに本当に困っている患者を医学診断センターで受け入れています。


先日、BRIDGEの関理事長が医学診断センターを訪問した際に、ギアロペス市の社会福祉課の担当者が感謝を伝えに来てくださいました。


ユリ医師の無料診療を受けさせてもらって、地域の人達はとても感謝しています。

また、市のポストジサウジには心理療法士が一人しかおらず、時間や道具も限られているために十分な治療をすることができません。それに対して医学診断センターでは、ヨンサンによるしっかりとした治療を受けられているので助かっています。今まで何年ものあいだ心の病気のために働くことができなかった人々が働けるようになるなど、大きな成果を上げており、これからも助けてほしいです。公的な医療にはいろいろな制限があって、予算も限られていて、そして十分な診療を受けることができません。そのような人々がこの二人(ユリ医師とヨンサン)の診療によって多くの恩恵を受けており、たくさんの人がとても感謝しています。彼らは経済的にとても貧しいために社会福祉課に来て、助けを求めています。そんな彼らを受け入れて無料診療をしていただいているので、とても感謝しています。

市の社会福祉課から患者を受け入れる

ギアロペス医学診断センターに於いて。

左から、森部玲子医師、ギアロペス市社会福祉課の担当者、BRIDGEの関博之理事長、医学診断センター代表のアルメイダ医師。


裕福な人はお金を払ってプライベートの病院(公的ではない病院)で質の高い医療を受けることができます。しかし、大多数の住民は貧しいために公的な医療サービスに頼るしかありません。1ヶ月の最低賃金が1,000レアル(現在のレートでおよそ30,000円)、プライベートな病院を受診するとだいたい300〜400レアル(現在のレートでおよそ9,000円〜12,000円)かかります。


日本は世界でも高い水準の医療保険制度を持っています。貧富の差が激しいブラジルで、日本のような医療保険制度を導入するためには、国民の意識改革・労働環境や、充分な教育、ブラジル保険局や政府を巻き込んでいく等の多くの課題があると思っています。しかし我々BRIDGEは、日本からの継続的な支援で、より良い医療インフラの構築に貢献できると信じています。私たちの活動はまだまだ微力ながらも決して諦めることなく、そんな地域住民の健康を守る助けになりたいという思いで支援を続けています。そして将来的には地域の人々が自らの健康を守れる社会になれるよう、皆さまのご支援とともに、より高度な支援を続けてまいります。私たちと一緒により発展した支援を続けていくことができるように、皆様のご協力をお願いします。


BRIDGEでは、これらの活動を支援する方法として、マンスリーサポーターや寄付を受け付けています。これからも皆様のご支援をどうぞよろしくお願いします。

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