ブラジルは憲法ですべての国民が無料で医療を受けられると定められています。
しかし現状は都市部にのみ医療施設が充実し、地方になると重病患者を受け入れられる病院が無かったり、病院自体が無かったりします。
そんな中、ブラジル・南マットグロッソ州のボニート地域において地域医療のために尽力されてきたのが当時のギアロペス市長であるホベルト・サラビ・ソウザ医師でした。
ホベルト医師は、ギアロペス市立病院・ギアロペス医学診断センターを設立し、自身も無償診断を行うなどして地域医療を支えてきました。
そんなホベルト医師が突如、凶弾に倒れたのが2013年。ホベルト医師の存在で保っていたギアロペス市立病院とギアロペス医学診断センターは、主を失い危機的な状況にあります。
そこで私たちBRIDGEはホベルト医師の遺志を受け継ぐため、日本からの人的・金銭的な支援により、ボニート地域を中心にブラジルの地域医療を支えていく活動を行っています。
ボニート地区に地域医療の中心となる中核病院を設立するため、現地公益法人代表の森部玲子医師が「パタンナール地域病院設立プロジェクト」を推進しています。公的医療と富裕層向けの高度医療サービスをバランスよく提供し持続的な運営を目指すもので、BRIDGEは、高知大学とも連携しながらこのプロジェクトを人的・金銭的に支援しています。
プロジェクト詳細ホベルト医師によって設立された医学診断センターは、氏亡き後存続の危機を迎えています。現在は日本人医師・森部玲子氏が個人的に金銭的支援を行いなんとか存続している状態ですが、一人の力でできることには限界があります。
そこでBRIDGEは年に一度医師や看護師による医療奉仕団を派遣し、自治体の協力のもと医学診断センターで無料奉仕を行うという形で存続のための支援を行っています。
またそれ以外の時期にも医学診断センターが保有する装置を活用できるよう、12万人7つの都市への検査費用を支援する取り組みも行っています。
上部・下部内視鏡、超音波診断、心電図、脳波などの検査が受診可能になります。
上部・下部内視鏡、超音波診断、心電図、脳波など
ブラジルにはポルトガル人が住むより先に原住民のインディオが暮らしており、現在はアウデイアと呼ばれる原住民居住地で昔ながらの生活を送っています。ギアロペス地域はインディオが多い地域として知られており、一般の立ち入りが制限されている中、ギアロペス医学診断センターはこの地域のインディオたちと長い年数をかけ、信頼関係を培ってきました。数年前よりBRIDGEはこの地域をセンターのスタッフとともに訪問し、無料医療支援を行ってきました。
2016年
関理事長(耳鼻科医)がテレナ族の保健センターで40名に対して無料診療
2017年
内視鏡の無料診察券24名分をニオアーキ原住民居住地の保健センターに提供
ブラジルの州都カンポグランジの最後の砦と言われる救急病院がサンタカーザ病院です。ギアロペス市立病院や医学診断センターで治療ができない患者さんたちもサンタカーザ病院に搬送されています。サンタカーザ病院ではトリアージの赤、黄、緑で分けられた部屋にぎっしりと患者が並び、治療を受けていますが、運ばれてくる患者さんたちに比べ、全てが足りず、廊下にも患者が溢れています。サンタカーザ病院では、救急医療には欠かせないCT撮影装置も古くなっています。
BRIDGEはサンタカーザ病院を支援しているカンポグランジのロータリークラブとともに、医療機器整備の支援を行っています。
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